時間外労働削減等の労務管理分野に係わる制度設計
サービス残業=未払い残業が問題となり、労働基準監督署による臨検等を受け、是正指導により支払った額は、平成18年度において、1679件(過去最大)、227億円と厚労労働省より発表されています。今後も、この水準を維持して、摘発していくものと思われます。悪質なものについては公表され、更に刑事訴追されている事例もあります。しかし、この統計は、1件100万円以上のものだけの集計なので、実際の件数は、膨大なものになります。最近の日本マクドナルドの「名ばかり管理職」判決のように、管理監督者を巡っての事例も増えています。
実務的に考えたとき、事業所はサービス残業扱いを行う前に、適法であるところの制度運用をやった上で、他に策はないと判断して、サービス残業扱いしたのかが疑問です。長時間残業は、単に労働基準監督署より是正指導を受けるということだけでなく、労働安全衛生の分野としても過重労働による能率低下や、安全配慮義務違反による民事上の責任のリスクを考えなくてはなりません。
★ 長時間にわたる時間外労働を削減するためのプロセス
- 1 何故、残業を減らすのかを、労使で共通の認識を形成する努力を行います。また、従業員に残業を削減するように呼びかけます。
- 2 業務の進め方を見直し、改善を推進します。ここが最大のポイントです。
- 3 残業の事前届出制・許可制を導入します。また、残業の限度時間を設定します。
- 4 従業員の労働時間を適正に把握します。
- 5 労働基準法が認めた各種の労働時間制度の適用を検討します。
- 1) 1か月単位の変形労働時間制
- 2) 1年単位の変形労働時間制
- 3) 1週間単位の非定形的変形労働時間制
- 4) フレックスタイム制
- 5) 事業場外みなし労働時間制
- 6) 専門業務型裁量労働制
- 7) 企画業務型裁量労働制
- 6 シフト勤務・時差出勤・勤務時間選択制等の活用を検討します。加えて、適切な所定労働時間の設定になっているか点検します。
- 7 みなし残業手当を検討します。併せて、管理職の位置付けは適切か検討します。

